家人の上司はイタリア人だ。
コロナ禍でテレワークが普及してから、何度かPC会議を耳にした。(正確に言うと目にもした。)
面白いもので、何度か聞いていると、片言の英語しか話せない私でもこれは中国英語とか、これはブリティッシュイングリッシュとか、凡そのお国の区別ができるようになってくる。(区別できたところで恩恵はないのだけれど。)
ところがこのイタリア人上司さん、穏和な性格も手伝ってか、訛りのない美しい英語を話される。元々英語はラテン語から多くの影響を受けているせいもあるのかもしれない。私はこの方の口癖の(と言うかこの方の)大ファンになってしまった。
だいたい、切羽詰まった会議は家族の前で開けっ広げにはしないので、リビングでするのは定例の報告会のような割とぬるめの会議である。向こうからの進捗状況等の質問点に対し、こちらのリアクションが適切であれば、事なきを得られる類いの。
なので、温和なイタリア人は、大抵家人の返事には「that’s great!」「good job!」など、最後は我が子でもわかるような易しい単語を並べてくれるのだが、その中に、ほぼ毎回「fantastic!」が登場するのだ。
復唱しよう。
fantastic!!
だ。
私はこの言葉を誰かにかけられた事もなければ、かけた事もない。
単純な私は、次の瞬間誓っていた。
この言葉を我が子に言い続けよう!
ボール上手に打てたね。
→fantastic!!
息子は嬉しそうに「ファンタティック!」と連呼。
や、ちょっと待て。5才に成り立てだから仕方ないものの、微妙に「ス」が抜けている。
これはかわいい言い間違いレベルのもので、このままでもいいと思ったのだけれど、どうしてもファンタスティックを息子に教えたいと言う思いが勝ってしまった。
大袈裟に、身体を使って(正確には指揮者のように腕から先を使って)抑揚をつけて、3つのリズムに区切ったのだ。
「fan」「tas」「tic」である。文字にすると
「↓」「↑」「↓」の様な感じだろうか。
これを体を駆使して伝えてみたら、ストンと入ったようでfantastic!をクリアした。
fantastic!!が言えるようになった事と、褒める語彙が増えた事、その一言が変える場の空気感…このイタリア紳士には感謝しかない。
本日もお読みくださりありがとうございます。
have a good one🤍